将棋は,交互に駒を動かして遊ぶゲームですが,それぞれのコマは歩兵だったり王様を表現しています。これが「歩兵の癖に前にしか進めないなんてヘンだ!」と言われないのは,高度に抽象化されたゲームだからです。
ちょっとJRPG風に変えてみましょう。
・物凄く凝ったグラフィックで書かれた,王様や,歩兵,馬。
総勢20ユニットvs.20ユニットの局地戦。
・しかし,それぞれの軍勢は1ターンに1ユニットしか動かす事が出来ない。
ターンは敵と交互。馬はかならず斜め前にジャンプのみ。
移動も9×9の升目単位。
・時々ムービーが挟まったりして,飛車や角の過去が語られ,
銀将の金将へのほのかな恋心が表現されたりする。
・敵に召し取られた自軍のユニットは裏切り者として敵側にあらわれる。
あ,書いてて一瞬面白そうな気がしましたが。これはゲームとしては駄目です(ミスマッチを楽しむには良いですが)。
なぜなら将棋というのは,ルールや表現をひっくるめて,高度に“抽象化”されたゲームなので,リアルさを指向する”文法”とは相反するからです。
駒や盤面などをリアルに作りこんでも,逆にそれが「騎兵はそんな走り方をしない!」というような突っ込みどころになり得ます。例えば,スペクタクル映画のような壮大な映像で,ユニットがターン制で1マス1マス動いていたら,そこにもどかしさや違和感を感じない人などいないでしょう。それならばとルールを変更してしまえば,それはもう将棋たり得ません。
